2011-01-01から1年間の記事一覧

もくじ

レオン・ウェルトに 最初は献辞です。 1章 6才のころ、絵をあきらめました。 2章 王子さまとは、砂漠のまんなかで出会いました。 3章 王子さまの謎が、すこし、明かされます。 4章 王子さまの惑星は、とてもちいさいのでした。 5章 惑星を破壊するバオ…

27章

そして、6年が経ちました。 27章 さて、ほんとに、もう6年になるんですね…。このお話をするのは、最初で最後です。ともだちはまた会えて、わたしが生きているのをとてもよろこんでくれました。ほんとは悲しかったんです。でもわたしは「つかれたよ…」って…

26章

王子さまとの別れのときがきました。 26章 井戸のとなりには、むかしの石の壁の名残りがありました。仕事にもどった次の日の昼下がりになると、ちいさな王子さまがその上にすわって、足をブラブラさせているのが見えました。こういっているのがきこえまし…

25章

王子さまは明日で地球にきてちょうど一年なのでした。 25章 「ヒトは」と、ちいさな王子さまはいいました。「急行列車に乗るけど、なにをさがしてるのか、もうわからないんだ。躍起になって、グルグルまわってるだけなんだ…」 そして、こうつづけました。 …

24章

王子さまと、水を探しに出かけました。 24章 砂漠での不時着から、八日めを迎えていました。物売りのお話をききながら、手持ちの水の、最後のひとしずくを飲みました。 「あぁ!」と、わたしはちいさな王子さまにいいました。「思い出話はいいけどね、飛行…

23章

王子さまは物売りにも会いました。 23章 「こんにちは」と、ちいさな王子さまがいいました。 「こんにちは」と、物売りがいいました。 のどの渇きをスッカリ鎮めるという、粒ぐすりの物売りでした。ひと粒飲めば、一週間、なにも飲みたくなくなるというも…

22章

王子さまは、列車で行き交う人々を見ました。 22章 「こんにちは」と、ちいさな王子さまがいいました。 「こんにちは」と、線路を切り替えるひとがいいました。 「ここでなにをしてるの?」と、ちいさな王子さまはいいました。 「旅行するひとたちを仕分け…

21章

王子さまは、キツネに、ある秘密を教わります。 21章 そこに、キツネがあらわれました。 「こんにちは」と、キツネはいいました。 「こんにちは」と、ちいさな王子さまは答えて、そぉっと見まわしましたが、なにも動くものはいません。 「こっちだ」と、声…

サンタのための想定問答集

もう12月ですね。 今週のお題「サンタクロース」にちなんで、前に Lang-8 に書いてみた Q&A を集めてみました。(初出: 2009年12月 http://lang-8.com ) よろしかったらどうぞ。 (1)問「サンタさんはどうやって世界中の子供に一晩でプレゼントを配れるの?ぜ…

20章

庭に咲き乱れるバラの花に、王子さまは落ちこみます。 20章 それでもちいさな王子さまは、砂を、岩を、雪を越えて、長いこと歩きとおして、とうとう、道を見つけました。道という道は、たどれば、ひとに行きつけるものです。 「こんにちは」と、あの子はい…

19章

高い山に登ってみても、ひとりぼっちのままです。 19章 ちいさな王子さまは、高い山に登りました。それまで、知っている山といえば、ひざにとどくかどうかという3つの火の山だけでした。火の消えた山に、こしかけたりしていたものです。「こぉんなに、高…

18章

砂漠の花と、すこしだけ言葉をかわしました。 18章 ちいさな王子さまは、砂漠を横切って、一輪の花に出会いました。花には、3枚の花びらがありましたが、ほかはなんにもないのでした…。 「こんにちは」と、ちいさな王子さまがいいました。 「こんにちは」…

17章

砂漠のヘビと知り合いになりました。 17章 思いをこめようとすると、すこし、ウソになってしまうことがあります。街灯のあかりをともすひとのお話をしたときのわたしは、正直きわまる、とはいえませんでした。わたしたちの惑星について、知らないひとには…

16章

そうして地球へやってきたのでした。 16章 7番めの惑星は、そんなわけで、地球でした。 地球は、どの惑星ともちがいました! 王さまは111人(もちろん、黒人の王さまも忘れずに)、地理学者は7千人、実業家は90万人、お酒飲みは7百万人とさらにその半分、…

15章

6番目の小惑星では、地理学者から地球を勧められました。 15章 6つめは、10倍もおおきい惑星でした。そこには、年かさのりっぱな男のひとが、ぶあつい本を書きながら、暮らしていました。 「これはこれは! 探検家と見えるな!」その年かさのひとは、ちい…

14章

5つめの小惑星にいたのは、街灯のあかりをともすひとでした。 14章 5つめの惑星はとてもかわっていました。どれよりもちいさいのです。街灯のあかりがひとつと、それにあかりをともすひとがひとりいるだけで、もういっぱいなのでした。ちいさな王子さま…

13章

4つめの小惑星にいたのは、実業家でした。 13章 4番めの惑星は、実業家のものでした。このひとは、仕事で頭がいっぱいで、ちいさな王子さまがやってきても、顔をあげることもできないようでした。 「こんにちは」と、あの子はいいました。「タバコの火が…

12章

3つめの小惑星にはお酒飲みがいました。 12章 そのつぎの惑星には、お酒飲みがいました。ちょっと寄り道しただけだったのに、ちいさな王子さまは、ずっぷりと気分が落ちこんでしまいました。 「なにしてるの?」と、お酒飲みに声をかけたのです。からっぽ…

11章

次の小惑星にはキザ男がいました。 11章 ふたつめの惑星には、キザおとこが住んでいました。 「ああ! ああ! おれの崇拝者が、またやってきた!」ちいさな王子さまを、とおーくから見かけたとたん、キザおとこはさけびました。 キザおとこにとって、ほか…

10章

近くの小惑星には、王さまがいました。 10章 近くには、小惑星325番、326番、327番、328番、329番、それから330番がありました。それらを訪ねてまわって、見たり学んだりしようというのでした。 一番めには、王さまがいました。王さまは、むらさき色のテン…

9章

王子さまは花と別れて自分の惑星を出ていきます。 9章 ぬけだすときにはきっと、鳥の渡りが役に立ったにちがいありません。旅に出るその朝、その最後まで、王子さまはじぶんの惑星をきちんとしていました。カンカンになっている火の山は、ゴシゴシきれいに…

8章

王子さまは、花との暮らしがうまくこなせなかったようでした。 8章 その花のことは、わりとすぐにわかりました。ちいさな王子さまの惑星にはいつも、花びらが、ひとえだけの、とてもスッキリとした花ならあって、場所もとらず、人目を引くこともありません…

7章

王子さまには、とても大事にしている花があるのでした。 7章 五日めに、またまたヒツジのおかげで、このちいさな王子さまの暮らしの秘密がわかることになりました。だしぬけに、ぽつりと尋ねてくるのです。だまってながいこと、頭をなやませたあげくに。 「…

6章

王子さまは自分の星で、日没をくりかえしくりかえし眺めたことがあったそうです。 6章 ああ、ちいさな王子さま、わかってきたよ、すこしずつだけど。そうか、胸のふさがるような、毎日だったんだね。太陽が沈むときの、引き裂かれるように甘いひとときを、…

5章

惑星を破壊するバオバブのおそろしさを知っていますか? 5章 毎日、なにかしらその惑星のことや、そこからの旅立ちのことや、旅まわりのことがわかってきました。どれもゆっくりと、ひょんなことからそれとわかるのです。そんなふうにして、バオバブのぞっ…

4章

王子さまの惑星は、とてもちいさいのでした。 4章 ふたつめに大事なことがわかってきました。その子がはじめにいた惑星は、家くらいのおおきさもなかったのですよ。 そんなには、びっくりしませんでした。地球や、もくせいや、かせいや、きんせいのような、…

3章

王子さまの謎が、すこし、明かされます。 3章 どこから来たのか、教えてもらうまでには、ずいぶんかかりました。ちいさな王子さまは、じぶんからは、やまほどたずねるのに、じぶんがたずねられたときには、きこうともしないからです。そういうことはぜんぶ…

2章

王子さまとは、砂漠のまんなかで出会いました。 2章 そんなわけで、ひとりでの暮らしをつづけて、ほんとうのことが話せる相手もないままに、サハラ砂漠のまんなかに不時着するまで、ずっとそうでした。あれは6年前のことです。エンジンのどこかがこわれた…

1章

6才のころ、絵をあきらめました。 1章 6才のときでした。おおきな絵を見たことをおぼえています。自然のままの森についての、『ほんとうにあったおはなし』という名前の本に、のっていたのです。その絵にあったのは、オオヘビが、おおきくて強そうな動物を…

レオン・ウェルトに

「星の王子さま」の翻訳著作権が切れて、たくさんいろんな翻訳が出版されたのだそうです。*1ちょっと期待して、いくつも読んでみたのですが、やっぱりひとつ自分でも訳してみたくなりました。 最初は献辞です。 レオン・ウェルトに こどものみなさんには、ご…