サンタのための想定問答集

 もう12月ですね。
 今週のお題「サンタクロース」にちなんで、前に Lang-8 に書いてみた Q&A を集めてみました。(初出: 2009年12月 http://lang-8.com )
 よろしかったらどうぞ。

(1)問「サンタさんはどうやって世界中の子供に一晩でプレゼントを配れるの?ぜったい無理じゃん。」

答「その日じゃないといけないから、がんばって配ってるんだけどね。残念なことに、どうしても全員には配れないんだよ。いい子にしていてもプレゼントがもらえない子供がいるのは悲しいことだ。だけど、大人になってからでもいいから、いつかはプレゼントが届けられるといいなと思っているんだよ。」

(2)問「プレゼントはどこで手にいれてるの? ぼくは玩具メーカーの製品をもらったんだけど。」

答「実は世界中の大人たちがいろいろなかたちでサンタクロースを手伝ってくれている。おもちゃやお菓子を作ってくれる人たちもいれば、がんばって働いて稼いだお金を送ってくれる人もいるし、どこにどんな子供がいるから忘れずにプレゼントを届けてねと教えてくれる人もいる。子供が嫌いだと言ってる人や、子供に意地悪な人でさえ、実際にはサンタクロースを助けてくれていることもあるんだよ。」

(3)問「どうしてクリスマスのときにしか来ないの?」

答「毎日は無理だからさ。それに、みんながクリスマスに来てくれるようにって楽しみにしてくれているだろう? その日じゃないとがっかりさせることになるからね。それに、もしきみがチョコレートが大好きだとしても、毎日ごはんのかわりにチョコレートを食べたりしたらチョコレートが嫌いになってしまうんじゃないかな? 私はみんなにクリスマスが好きでいてほしいんだ。」

(4)問「煙突から入って、どろぼうと間違われたことはないの?」

答「ないよ。でもサンタクロースのかっこうで泥棒をする悪い大人はときどきいるから、気を付けて。人を見極めるには見かけだけではなく何をするかにも気をつけるんだよ。」

(5)問「どうして煙突からはいるの?私の家には煙突がないけど、はいって来れる?」

答「だいじょうぶ。堂々と玄関から入っていくよ。もちろん、煙突と玄関がたまたま同じ国では、煙突から入ることもあるけどね。」

(6)問「ねえ、サンタさんの年はいくつ?」

答「年か。年は、そうだな、ある意味ではまだ若いし、ある意味ではとても年寄りだ。最初のサンタと呼ばれている聖ニクラウスから数えれば、ざっと1700歳だと言ってもいいかもしれない。でもこの体は、その聖ニクラウスの体とはずいぶん違っている。心だって同じではないところもある。きみも、毎日服を着替えていても、やっぱりきみだろう?日々成長して前とは考え方や感じ方が変わってしまっても、やっぱりきみはきみだろう?それと同じように、私はやっぱり今でもサンタクロースなんだよ。」

(7)問「サンタさんは死なないの?」

答「私のこの体はごくふつうの体だ。おなかも空くし、傷つけば血も出る。不死身じゃあない。だからいつかは死ぬときがくるはずだよ。いつかはね。でも、心配はいらない。ある意味では、私は死なないからだ。サンタクロースはこの私だけじゃないからさ。つまり、私が死んでも他のサンタがいるからね。さみしくはないはずだよ。最初のサンタと呼ばれている聖ニクラウスは、75歳くらいで死んだ。そう、死んだんだ。しかし、いま私はこうして生きている。それはサンタのしてきたことが人の心に忘れられずに残っていたからなんだよ。だからあの聖ニクラウスではない者が、その後を継いだ。『そうだ彼は私だ。こんどは私が彼のしてきたことをしなくてはいけない』とね。それでも、誰もサンタクロースのことを信じもしなければ考えもしないようなときがもし来たら、そのときはサンタクロースは死んだと言われるようになるかもしれないね。そうならないように、私はやってみるだけさ。」

(8)問「サンタさんは翔太*1くんと愛ちゃん*2のお父さんなのに、どうしてサンタクロースなの?」

答「やあ、こんにちは。私はふだんは翔太と愛のお父さんだけど、いまここではサンタクロースだからだよ。きみだってきみのお父さんから見れば息子だけど、きみのおばあちゃんから見れば孫だし、先生から見れば生徒だろう? それと同じように、私がサンタクロースであってほしいと思ってくれる子供たちにとっては、私は実際にサンタクロースなんだよ。まだ新米だから、トナカイは仮免許も持ってないし、煙突から出入りしたりもできないけどね。もしかしたら、きみのお父さんは、もうサンタクロースをやめちゃったのかな? きみも、私がいいサンタクロースになれるように応援してくれないか。」

*1:翔太は、よくある男の子の名前です。

*2:愛は、よくある女の子の名前です。