月人壮士とセレーネ

 月を男と見立てて、月人壮士(つきひとをとこ)というのだと妻から教えてもらった。月人壮士は、ツクヨミ(ノミコト)と同じものらしい。万葉集では月読壮士とも月人壮士ともいわれているそうだ。
 太陽を象徴するアマテラスが女神なのに対して月を象徴するツクヨミは(女神とする説もあるようだが)男神である。
 西洋では、ヘリオスとセレーネにしても、アポロンとアルテミスにしても、太陽神が男で月神が女とされている。性別が逆転しているのが興味深い。神話を育んだ地域の気候や風土ないしその地の民族における性役割観の違いが影響しているのだろうか。