ヒトゲノムを遺伝子数で捉えるのはプログラムをコード行数で捉えるようなもの

 ピンカー「人間の本性を考える(上)」によれば、ヒトゲノムには遺伝子が3万4000ほど載っているが、線虫のゲノムにも1万8000くらいの遺伝子があるという。*1
 遺伝子の個数の単純比較でヒトは線虫の(たった)約2倍だけ複雑だということにはならない。
 それはたとえばコンピュータソフトウェアのプログラムコードをステップ数(コード行数)で比較するようなものだ。かたや単純な代入文を羅列したようなプログラム行が長々と書かれている。もう一方はループや関数呼び出しやさらに関数の再帰呼び出しの利用で重複が省かれている。そんなふうだと、実行できる機能の複雑さには両者で雲泥の差が出てくる。

*1:wikipediaの「ヒトゲノム」の項目では、ヒトのゲノムには2万から2万7000の遺伝子があるとされている。