ジャレド・ダイアモンドもおもしろそう

 ジャレド・ダイアモンド「銃・病原菌・鉄」は前からちょっと興味があったが、ピンカー「人間の本性を考える(上)」に引用されているところに興味を惹かれた。

銃・病原菌・鉄〈上巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎

銃・病原菌・鉄〈上巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎

銃・病原菌・鉄〈下巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎

銃・病原菌・鉄〈下巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎

 ユーラシア大陸は東西に長く、アフリカ大陸やアメリカ大陸は南北に長い。オセアニアは海で分断されている。東西に長く、同じ緯度に暮らしていれば農業をはじめとする生活にも共通点が多くなり、他の文化圏の知識や技術を流用できることも多くなる。このような地理的な差が交易や文化交流の多寡の差につながり、ユーラシアでは知識と知恵の蓄積が堆積したため、技術的な差につながって、他の大陸の民族を圧倒する結果につながったのではないか…という指摘に、なるほどと思った。
 もっとも、エジプトは南北に長いが古代には統一王国を作って繁栄したこともあるぞとか、中国もユーラシアの東の大国だがヨーロッパに蹂躙されてしまった歴史があるじゃないかとか、まあ例外もあるという気もする。が、いままでに気付かなかったような要素に気付けそうではある。やっぱり読んでみようかという気持ちに傾いている。
 ダイアモンドが生理学者というところにも引っ張られた。生化学者でSF作家だが実は歴史家になりたかったアイザック・アシモフと同じようなおもしろさがあるんじゃないかと思ったのだ。