驚異の感覚

 知らないことを知ることは、驚きだ。小さな驚きもあれば、大きな驚きもある。
 大きな驚きにつながる知識は、自分が特別な存在でないことを知り、世界が不完全であることを知り、知識が足りないことを知る知識だったかもしれない。
 床が抜けるような感覚。叫んでもその声が吸い取られて自分の耳にさえ届かないような感覚。一種の恐怖だが、知らないことはもっと恐怖なので、知らずにはいられない、というような。
 あらためて振り返ってみると、いろんなことに驚きを受けてきた。