座頭市
- 出版社/メーカー: バンダイビジュアル
- 発売日: 2004/03/11
- メディア: DVD
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ふつうの時代劇との違いは刃の描写の危険さと、BGMの現代性です。
往年の時代劇だと、刀で人を斬っても、めったに血が出ることがない。通常の殺陣は、ダンスのような様式美で描かれることが多いものだと思います。でもこの映画では、びしゅっと緋色の血が出たり、腕が飛んだりするのです。
大げさなシーンだけでなく、やくざものが刀を抜くときに誤ってとなりの仲間を傷つけたり、座頭市が振るう仕込み杖の刀が、刀の柄を握る相手の親指まで切り落としてしまったりと、こまかな描写が尋常でなくスプラッタ。なかには仕込み杖で石灯籠がまっぷたつ、なんていう様式的な虚構もありますが、総じて刀をふりまわすのはあぶないなぁと思える描写でした。
BGMは古典邦楽に縛られない選曲というだけでなく、劇中の背景に溶け込んでいる状景のなかの登場人物たちの動作が、畑で鍬をもって耕す土の音や、雨が水たまりを叩く音や、家を立てる大工さんたちの鎚や鋸や鉋の音が音楽の要素音として取り入れられています。とても様式的ですが、これがラストの祭りのシーンではおおぜいでのタップダンス(下駄履きタップ)で最高潮に達します。
R指定で中学生以下が観るのは禁止と書いてありましたが、スタイリッシュな映画です。