2012-11-25 珈琲の味 詩 珈琲の匂いをかぐと、ちょっと背伸びをするような、 新調したネクタイを初めて締めるような、 かすかな期待と緊張が走ります。 口をつけて飲むと、珈琲の甘さと苦みと酸味が 頬の裏を満たして喉の奥に消えて。 その味をさて、何にたとえましょう。 春の午後にソファーに体をゆだねるような感覚。 冬の朝に二度寝を楽しむような安逸。 気持ちに、ネクタイをほどいたようなゆとりが生まれます。 珈琲カップを置くときは、少し珈琲と親しくなったような気持ちになります。 「ありがとう」と声をかけたいような気持ちです。