Facebookのアヤしさ
Facebook がアヤしい。
そう思ったのは、WIRED のこの記事がきっかけ。
『「住所と携帯番号も公開」に懸念:Facebook』(Sam Gustin)
http://wiredvision.jp/news/201101/2011011921.html米Facebook社は14日(米国時間)、同社ブログの投稿として、同社のサードパーティー・アプリケーション開発者が、ユーザーの住所や電話番号にAPIアクセスできるようにすると発表した。
(中略)
最初のサインイン時には、アプリケーションから、ユーザーのプロファイルに含まれる情報を見ること、ユーザーの「ウォール」に投稿できるようにすること等を「求められる」。14日の発表は、このデータに携帯と住所を追加するものだった。
つまり、Facebook は第三者であるアプリ開発者がユーザの住所や電話番号を入手できるようになることを許せと求めるようにすると。アプリ開発者の身元はわからないから、中には悪質な連中がいても不思議はない。
これは、安全性への脅威になりかねない決定じゃないか。
で。ちょっと気になったので Facebook を wikipedia で見てみた。
『Facebook』
http://ja.wikipedia.org/wiki/FacebookFacebook(フェイスブック)は、Facebook, Inc.の提供する、世界最大のSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)である。元々は、ハッキングし得た女子学生の身分証明写真をインターネット上に公開し、公開した女子学生の顔を比べて勝ち抜き投票させるゲームとして作られた。名前の由来もここにあり当初はフェイスマッシュとして公開されたが問題になり、その後は改良がなされフェイスブックとして公開されることになった[1]。アメリカ合衆国の学生向けに作られ、当初は学生のみに限定していたが、2006年9月26日以降は一般にも開放され、その後急速にユーザー数を増やしていった[1]。
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1. ^ 著書:The Accidental Billionaires
なにこれ。いきなり犯罪的行動から始まってる。
これで思い出したのが「男の子牧場」。
『男の子牧場』
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%B7%E3%81%AE%E5%AD%90%E7%89%A7%E5%A0%B4同サイトは男性の情報を女性の友人同士で共有するというSNSシステム[1]で、女性を対象として理想の男性をみつけるなど結婚活動を支援することを目的としていた。男性を家畜に見立て、交遊関係のある男性の簡単なプロフィールや写真を登録するたびにユーザーの「牧場」に馬や牛、羊などの家畜が増えていくというもの[2]。
しかし、「牧場」というネーミングや、登録した男性を家畜に見立てたアイコンで表示していることから、「男性を家畜扱いしている」、「男性の個人情報が男性の同意なしに勝手にアップロードできるシステムになっている」といった批判が広報担当者のブログなどに相次いだ。「サービスの見直し」を理由に運営開始後わずか5日で運営を停止した[3][1][4]。
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# ^ a b “「男の子牧場」、サービス停止 「再開は未定」”. ITmedia News (ITmedia). (2009年5月18日). http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0905/18/news109.html 2009年5月21日閲覧。
# ^ “男性の情報を共有する「男の子牧場」、婚活女性向けに”. ITmedia News (ITmedia). (2009年5月14日). http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0905/14/news073.html 2009年5月21日閲覧。
# ^ サイバーエージェント (2009年5月18日). “「男の子牧場」のサービス停止について”. Press release. オリジナルの2009年5月25日時点によるアーカイブ。. http://s02.megalodon.jp/2009-0525-0842-30/www.cyberagent.co.jp/news/press/2009/0518_1.html 2009年5月22日閲覧。
# ^ “男性を家畜扱い「男の子牧場」開始2日で存亡の危機”. 夕刊フジ. (2009年5月16日). http://www.zakzak.co.jp/top/200905/t2009051601_all.html 2009年5月27日閲覧。
第三者の個人情報を当人の同意なく、しかも私的な愉しみのために公開するというところがよく似てるね。
こうした失敗を犯した過去があっても別にかまわない。問題はそれを反省して、同じ過ちを繰り返さないようにどんな対策を実行したのかというところだ。
Facebook にはそれがいまのところ見えない。
『「住所と携帯番号も公開」に懸念:Facebook』(Sam Gustin)
http://wiredvision.jp/news/201101/2011011921.htmlFacebook社は、開発者がアクセスできるのは個人ユーザーの住所と電話番号だけであり、「ユーザーの友人」の情報ではないと言及。さらに、そのようなデータの利用を望む開発者は、ユーザー本人の賛同を個別に得る必要があり、その場合も、ユーザーを欺いたり、スパムを送信したりすることを禁じた『Facebook Platform Policies』を守るよう特に注意を払わなければならないと述べている。
はてなブックマークで taro-r さんが書いているコメントに目が停まる。
「注意を払わなければならない」ですか。技術的に不可能って事じゃないのね。
taro-r 2011年1月20日 08:42:01
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そうなんだ。技術的に不可能ってことじゃなくて、そもそもアプリ開発者の自制頼みでしかないわけで、悪用するつもりの人間にとっては障害はまったくない。そして、Facebook はそれを問題とみなしていない。
これをアヤしいと言わずに何と言おう。
Facebook は、いまもどんどん利用者が増えていると聞く。だとすればそれにつれて Facebook の社会的な役割もまた大きくなっているわけだ。
そんな Facebook であればこそ、もっと個人情報の保全に対して責任を自覚してほしいものだ。
さもなくば、どこかで反旗が翻ることにもなりかねないのでは。
『Facebook成長率が鈍化か? ソーシャルプラグインの背景にあるプライバシー問題』
http://blogs.itmedia.co.jp/saito/2010/05/facebook-51ca.html確かにこの数値に基づくと月換算で約1300万人の増加となる。信じられないような増加人数だが,実は過去の公表値と比較すると明らかな減速傾向がうかがえるのだ。
その芽はもしかしたら出始めているのかもしれない。