ボビー・フィッシャーを探して

　実在の天才少年チェスプレイヤーのジョシュ・ウェイツキンの映画化、だったらしい。
　主人公は７歳の男児ジョッシュ。彼は公園で行われている賭けチェスで見覚えたチェスに才能をみせる。父親はチェスの才能に惚れ込み、息子にコーチを付ける。コーチは厳しくチェスを教えるが、少々厳しすぎる。チェス漬けの生活に反対する母親。そんななかで強敵の子が現れ、自信をなくしかける。母親の説得で一転してコーチを外し、多様な遊びを取り戻して、自信と意欲を蘇らせる。コーチとも和解し、ついにチェスの大会で強敵と戦う。コーチが禁止した公園の賭けチェスのプレイヤーの戦法を取り入れて勝利への糸口を掴み、コーチが教えた熟考で王手詰み（チェック）を確信。そこで相手に引き分けを提案するが蹴られると、詰み手を進めて勝利する。不世出のチェス・チャンピオンと呼ばれたボビー・フィッシャーについての伝記的説明がところどころに挟まるが、本筋とはあまり関係ないように思えた。チェスのルールや盤面の緊迫感は直接には描かれず、周囲の人間がはらはらする様子を描くことで間接的に描かれる。主人公の少年は非常にかわいらしく撮れている。

ボビー・フィッシャーを探して [DVD]