夜を美しいと思うとき

私も夜を美しいと思うことがあります。

闇に溶け込んだ舗装路を猫が忍び足でゆっくりと横切り、振り向いてじっと視線をこちらに向けてくる。公園は明るく、人のいない遊具と樹々の緑を白い光にさらしている。街は高層住宅の灯りと立ち並ぶ街灯ばかりが輝きを競う場に変わっている。私だけのために、歩行者用信号の光が赤から緑に変わる。聞こえる音といえば、たまに走り去る自動車のタイヤの音くらいで、鳥の声もなく、虫の声すらもなく、黒い空を仰げば、砕いたガラスの破片のような星が点々と輝いている。

金曜日の夜はこんな感じでした。