昆虫の進化

 昆虫の進化について調べてみた。
 概観を得るには子供向けの図鑑が手っ取り早くていい。
 図書館には学研の図鑑とポプラ社の図鑑があったが、ポプラ社(「ポプラディア情報館 昆虫のふしぎ」2007年3月第1刷発行。監修:寺山守)のほうが新しく、少し詳しめだったのでそちらを見ることにした。

 昆虫は、分類上は動物界(どうぶつかい)節足動物門(せっそくどうぶつもん)昆虫綱(こんちゅうこう)に含まれる。
 さらに、たとえばカブトムシなら、コウチュウ(甲虫)目(もく)コガネムシ(黄金虫)科(か)カブトムシ(甲虫)属(ぞく)カブトムシ(甲虫)となる。

 昆虫は31目に分類されている。

 昆虫に近いのは同じ節足動物門の中の甲殻(こうかく)類。海老や蟹の仲間だ。
 もう少しだけ遠いのは節足動物門の中の多足(たそく)類。ムカデやゲジゲジの仲間だ。
 さらにもう少しだけ遠いのは節足動物門の中のクモ(蜘蛛)形(がた)類。クモの仲間だ。
 さらにもっと遠いのは節足動物門の中のウミグモ(海蜘蛛)類。ウミグモはあまりなじみがないが海底に棲む節足動物だ。(http://www.tokyo-zoo.net/movie/mov_book/0702_05/index.html)

 これら節足動物のうち、甲殻類との共通の祖先から進化したと考えられているのが六脚虫(ろっきゃくちゅう)類(六脚上綱)だ。
 六脚虫類は(wikipediaによれば)内顎(ないがく)綱、と外顎(がいがく)綱(昆虫類)に分類されている。
 内顎(ないがく)綱にはコムシ目(倍尾目)、トビムシ目(粘管目)とカマアシムシ目(原尾目)がある。トビムシ目(粘管目)とカマアシムシ目(原尾目)は側昆虫類(Ellipura)という分類にまとめられることもあるようだ。

 さてここからが昆虫類。
 進化の系統上もっとも原始的なのが羽根を持たないイシノミ目とシミ目で、それらと共通の祖先から羽根を持つ有翅類が進化した。カゲロウ目とトンボ目は、羽根を折り畳めない2目だ。さらにそこから羽根を背中で重ねあわせることができる新翅類が分かれた。新翅類からは前翅よりも後翅のほうが大きい多新翅類と新性類が分かれた。さらに新性類からは口器の特殊化が進んだ準新性類と、さなぎの時期を持つ完全変態類が分かれた。
 多新翅類のうち、もっとも原始的なのがカワゲラ目。その共通祖先から分化したのがハサミムシ目。さらにハサミムシ目との共通祖先からはゴキブリ目、シロアリ目、カマキリ目、ガロアムシ目、カカトアルキ目、シロアリモドキ目、ジュズヒゲムシ目、ナナフシ目、バッタ目が分かれた。
 新性類のうち、より原始的なのは準新翅類で、もっとも原始的なのがハジラミ目で、シラミ目、チャタテムシ目、アザミウマ目、カメムシ目、と続く。
 完全変態類は原始的なものからヘビトンボ目、ラクダムシ目、アミメカゲロウ目、コウチュウ目という枝と、ネジレバネ目、ノミ目、ハエ目、シリアゲムシ目、トビケラ目、チョウ目、ハチ目という枝に分かれた。イシノミ目からハチ目まで、昆虫綱は31種類に分けられている。

 ハチが最も新しいタイプの昆虫というわけだ。