ザ・ダーク・エンペラー

NERO ザ・ダーク・エンペラー [DVD]

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 この映画のネロの顔は、癖が強い。ちょっとマイケル・ジャクソンのような、小猿のような、ある意味で茶目っ気のある容貌。それを買われたのかもしれない。
 少年時代のネロは別の子役。それから10年経つと、少年の頃の面影がぜんぜんなくなっていて、これでは生き別れた母親アグリッピーナが見てもわからないんじゃないかと思ってしまった。
 ネロは悪人ではあるが、弱く、痛ましい存在として描かれている。最後には自殺するが解放奴隷でクリスチャンにもなった初恋の娘に抱かれて息を引き取る。母親から強い干渉を受けて、次第に周囲を信じられなくなり、凶暴な側面を見せていったという風に描かれている。
 許しがたい行状を持つネロをそれでも愛されるキャラクターにするためには、子供っぽいのは悪くない。でもどうせなら、もう少し端正な顔立ちの俳優で撮影したほうが哀れさが引き立ったんじゃないだろうかとも思う。