枕詞とは?
たとえば「足引きの」山。
たとえば「草枕」旅。
たとえば「垂乳根の」母。
たとえば「久方の」光。
たとえば「岩走る」滝。
などなど。
ほとんどが五音節。で、その直後に続く言葉がたいてい同じ(かいくつかの言葉のうちのどれか)。
別になければないで意味はわかるのに、和歌には好んで使われた、この変な言葉。
なんで? それは知らない。
でも、私の素人考えでは、枕詞とはアイコンだ。言ってみれば。たぶん。
ほらPCのデスクトップに並んでる、あれ。アプリケーションのツールバーに並んでる、あれ。小さい画像で、ファイル名やら機能名の頭についてるあのアイコン。
紅狐Firefoxとか。
CDのiTunesとか。
バツ印読み込み中止とか。
一軒家ホームページとか。
ま、そういうやつ。
たとえば「足引きの」山は、スカートのように裾野の広い雄大なイメージの山。
たとえば「草枕」旅は、草を枕に野宿しながら何日もかけて遠出をするイメージの旅。
たとえば「垂乳根の」母は、その重みで垂れるほどに豊かに張った乳房をもつイメージの母。
たとえば「久方の」光は、久しく遥かに広がる遠い空から差し込んでくるイメージの光。
たとえば「岩走る」滝は、大きくてごつごつした岩石に冷たく透明な水が当たっては跳ねながら流れ落ちていくイメージの滝。
そんな感じがしたんだけどな。