ほんと? 勉強しなくても生まれつき「できる」子が生まれるように進化の圧力が働く?
スティーブン・ピンカー[著]椋田直子[訳]「言語を生みだす本能」(NHKブックス 日本放送出版協会)を読んでいる。
- 作者: スティーブンピンカー,Steven Pinker,椋田直子
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 1995/06/01
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 17人 クリック: 151回
- この商品を含むブログ (68件) を見る
- 作者: スティーブンピンカー,Steven Pinker,椋田直子
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 1995/07/01
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 12人 クリック: 36回
- この商品を含むブログ (43件) を見る
コンピュー タ・シミュレーションを裏付けとする進化理論によると、環境が安定した時期には、学習で身につ けた能力を生得のものにしようとする淘汰的圧力がかかる。問題の能力が生得のものになれば、早 いうちから使えるし、学習に必要な経験をしそこなう危険がなくなるからである。
ほんとか? これは用不用説の再来ということだろうか? しかもコンピュータ・シミュレーションの裏付けがある?
たぶん、こういうことだろう。用不用説が証明されたわけではない。獲得形質が遺伝するわけではない。ただ、世代ごとに学習するべきことを生得的に持つ個体が発生すれば、その個体は生存競争に有利だ。したがってその個体とその子孫は結果として生存可能性を高める。そのような学習しなくてはならなかったような内容を生得的に持つ個体が有利になるのは学習すべき内容が長い間固定的に生存上有利である場合に限られる。つまり環境が安定している時期でないとそうした学習の本能化は有利にならない。
なかなかおもしろい。そもそもピンカーの言及している研究が何を言っているのかを確認してみたいものだ。どのくらいの期間環境が安定していれば生得化が実現するものなのだろう?