スワンタッチ

 読書するときにうっかりパタンと本を閉じてしまうと、どこまで読んでいたのか探すのにちょっと苦労する。そんなストレスを解消するのに訳に立ちそうなのがこの追随するしおり「スワンタッチ」だ。
[正面]
その名のとおり白鳥のようなシルエットのしおりで、白鳥の胴体部分を本の内表紙に備え付けの両面テープで貼り付けるようになっている。白鳥の首の部分は柔らかく曲がり、この首の先にあるくちばし状の先端を読みかけのページに引っ掛けて使う。
[縦書きの本で使う場合]
ふつうにページをめくるとページの端はくちばし部分をするりと抜けて、くちばしは新しいページを指すようになるという寸法だ。

 なかなかいいアイディアだと思う。材料費と比べたら高価だが、おもしろいので一度試してみようと思って買った。が、思わぬ問題があることがわかり、いまは使っていない。

 問題は2つある。
 ひとつは、横文字の本には使いづらいということだ。白鳥は右を向いている。右開きの縦書きの本なら最終ページの見開き右側に貼り付けて使う。
[縦書きの本に固定する場合]
このとき首は本の喉の部分(背表紙側)からページの開いた側にむかって伸びる。くちばしはその先で読みかけのページに突っ込む形になる。この形は左右対称ではないので、左開きの横文字の本の場合にはめくるページの動きを妨げてしまうのだ。この問題をなんとかするために、私は90度回転させて首がページの開いた側に突き出すようにして使っていた。
[横書きの本に固定する場合]
[横書きの本で使う場合]
だがもうひとつの問題があった。
 ふたつめの問題は、スワンタッチを本に固定する方法が両面テープだということだ。これはすぐに粘着力が低下して剥離してしまう。両面テープを張り替えてもいいのだが、面倒だ。この面倒さが他のしおりにその座を譲る理由になった。

 いまは小さい透明なポストイットのフラッグという透明スリム見出しを使っている。
[ポストイットのフラッグをしおりにする]
43.6mm x 6mmの細い短い小さな短冊型のポストイットだ。イエロー、ローズ、スカイブルー、メロンの4色入りなので、いくつか本に貼っておいて、今のページを覚えておくため、ちょっといい箇所の目印、あとで読み返す場所の目印などと色を使い分けてみたりしている。

 しかしこのフラッグによるしおりはスワンタッチが解決していたうっかり閉じたページをいつでも示してくれるという機能は失ってしまっている。読みながら現在ページ用のフラッグを貼り直さないと現在ページを指すようにはならない。これは残念なことだ。

 自分でスワンタッチと同じような素材の板から形を切り出して不満な部分を解決したものを作るといいかもしれない。左右逆のバージョンを作るとか、両面テープで固定しなくてもいいように本に差し込んで固定できるような形にするとか。
 それとも、待っていればそのうちスワンタッチのメーカーが出してくれるだろうか?