古奈屋がライバル!?

 このところ、生活費を少し絞っている。というか、生活費をあまりよく把握していないので、測定中なのだが、意識して測定しはじめると節約してしまうのである。こうした現象は量子力学観測問題としても知られているところである(違うって)。そんなわけで、外食費を惜しんで自炊することが以前よりも少し多くなった。

 お昼にご飯を食べてしまったので、今夜はうどんということになった。カレールー(ハウスのジャワカレー中辛)があったので、カレーうどんにする。古奈屋がライバルという気持ちで。

 思いのほか、うまくできた。好評であった。自分でもおいしいと思った。

 具はありあわせ。冷蔵庫に残っていたニンジンと白菜とエノキダケ。それにブロッコリーの芯があったのでこれも使う。ニンジン3分の2本は千切りにする。白菜は5センチ幅にざっくり切り出したあと荒微塵にする。エノキダケは30本ばかりを取り、石づきを切り落として3センチ幅に刻む。ブロッコリーの芯1本は茎の皮がとても硬いので、茎を薄く輪切りにしてから微塵切り。

 スパイスはしっかり使う。生ニンニクをひとかけら。ショウガを親指大。これらは皮を剥いてから微塵切りにする。ニンニクを鍋に散らして火を点ける。暖まってきたら油を入れる。多少、和風指向で胡麻油にしてみた。ニンニクが油に弾けはじめたらショウガも加えてひとしきり混ぜる。

 ここに野菜を入れる。最初は最も火が通りにくそうなブロッコリーの芯。次はニンジン。さらに白菜。最後にエノキダケだ。しばらく強火でかき混ぜながら炒めつづける。カレーライスならワインを入れるところだが、和風指向で日本酒(料理酒)を加える。カレールーの前に、スパイスを入れる。カルダモンを3振りくらい。コリアンダーを5振りくらい。クローブはちょっと控えめに2振りくらい。ダシは鶏ガラスープの素。大さじ1杯くらいを振り入れてよく混ぜる。丼にうどんと一緒にいれたときにスープがちょうどいいより少し少なめの分量まで水を加える。後でミルクを加えるからだ。カレールーを入れる前に、それだけでもおいしい野菜スープにするつもりで味を調整する。

 そしてカレールー。溶けやすいように、包丁で粉砕してから鍋に投入する。カレールーがダマにならないようによく混ぜる。火は再び強くする。混ざったら、ミルクを加える。色が白くなりすぎないように。濁ればいいくらいの気持ちで。

 これで後はうどんをゆでればいい。うどんは讃岐うどん。強いこしのある麺がいい。ゆであがったら水洗いしたあと、水を切って、カレースープの鍋に投入する。火にかけて、再びうどんが暖まったら丼に盛りつける。うどん、具、スープの順に等分に盛る。完成だ。

 好みで、粉チーズと黒胡椒を振ってもおいしい。

 古奈屋のメニューほどの具は入っていないが、スープの味はそう遜色のないものであったと自画自賛してみる。まあそのくらい、おいしかったというわけである。