ロボットがふつうになると

 いずれ、パソコンでさえ駆動装置があたりまえについてくるようになって、骨董品になるだろうか。

 個人用のコンピュータが将来までいまのパソコンみたいに大きく重い置物である必要はないのだし。
 画面は大きいほうがいいかもしれない。けれども、スクリーンが硬くて重い実体を持つ必要はない。視野のうちに占める割合が広くて、しかも高精細であれば問題はない。網膜に投影するとか。
 キーボードが小さすぎると使いにくいかもしれない。けれども、これも硬くて重い実体を持つ必要はない。キーが指になじむ配列で並んでいてくれればそれでいい。トランプのカードを並べるようにキートップがしかるべき位置に並んで打鍵を待っていてくれるとか。使わないときはそれこそトランプのカードのようにケースに入れるか折り畳むかして胸ポケットにでも入れるか。ブレスレットにでもするか。

 利用者が移動するときにつかずはなれず付いてきてくれれば、多少かさばってもかまわないな。従者のようなものだ。トイレでも使うなら、端末機は小さいほうがいい。しかしそれ以外に犬くらいのサイズなら、移動式バッテリーパックとか通信用アンテナとかがセットになった一体型の装置が付随しても困らないかもしれない。ただし、階段や坂道や狭い道でもちゃんと追随することが必要だ。

 そうなれば、いまのようなパソコンはなんて不自由なのかと思われるだろう。
 「寝たきりコンピュータ」だな。