G.I.ジェーン
- 出版社/メーカー: パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン
- 発売日: 2008/02/20
- メディア: DVD
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オニール大尉は男女で二重基準をあてはめられたりハンデを与えられたりすることに我慢ならず、男と同じ基準で認められようと頑張る。たとえばトイレや寝室も男女別にしないでいいとか。
途中で長い髪を自分でバリカンで落として丸刈りにする。この人、髪の毛を長く揺らしてるよりも、バッサリ短いほうが女らしいような気がするけど気のせいか。いやむしろ、きっとそういう人だからこそキャスティングされたんだろうな。
拷問を模した訓練のさなかに教官に激しく痛めつけられ、反撃した後にオニール大尉が教官に対して「suck my dick!(俺のチ×ポ舐めたら許したってもええぞ兄ちゃん!くらいの意味か)」と凱歌を揚げるシーンがある。このパフォーマンスを仲間の男たちが喜び、仲間意識が固まるのである。
この映画では、高齢の女性上院議員が一番の悪者(ただし敵役ではなく主人公に倒されるわけではない)になっている。オニール大尉が最後まで訓練を全うしてしまうと(女も男と区別なくどんな任務でもできるように軍規を改訂する道を開くと、世論の反対を受けるため)かえって自分の当選が危うくなると考えた上院議員によって、主人公に途中でレズビアン疑惑をかぶせて訓練から外そうとするのだ。
主人公は議会に乗り込み上院議員に詰め寄って、訓練への復帰を勝ち取る。
最終訓練では急遽実戦に参加して功績を上げるのだが、結局、女を捨てて男になることでようやく認められるという筋書きだ。だが、それでは、黒人は黒人を捨てて白人になれとか、未開人は先進国の文化に同化せよというのと変わらないことになってしまわないだろうか。
できることなら「女性が加わることで、意表を突いた方法が現れ、結果として男性のみのチームよりも男女混成チームのほうが同じゴールに早く楽にスマートに*1たどり着けた」というようなストーリーならもっと楽しかったかもしれない。
*1:たとえば、同じように作戦遂行をしても、現場の行き過ぎによる戦場での略奪や強姦は男女混成チームを採用するほうが起こりにくいのではないだろうか。