ULTRAMAN ―ちょっと残念な「ウルトラマン」でした。―
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主人公が妻子持ちのおじさんなのが最近の主人公高齢化時代を感じさせます。昔なら主人公は独身の若い男性でないといけなかったんじゃないかという気がしますが、これは違います。その点はむしろおもしろいと思いました。
「パパはウルトラマン」なんていうようなテレビドラマが昔あったことをふと思い出しました。いや、あれは「パパはニュースキャスター」でしたか。
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2004年の映画だということですが、意外なことに、作中で携帯電話を使っている人が見当たりません。拉致された主人公が家族に電話させてくれと訴えるシーンとか。怪獣に襲われる新宿の街を逃げ惑う人々の誰ひとりとして怪獣やウルトラマンにケータイをかざさないところとか。とても不思議です。
映画としての仕上がりはもう一歩。二歩。三歩くらいかな。とも思いますが、それなりに楽しめました。
ウルトラマン(「ネクスト」)の存在は説明不足ですね。ウルトラマンがなぜそんなに主人公とかんたんに同じレベルの考え方で意思疎通できるのか、首をひねってしまいました。体がいきなり巨大化するのも、どういう現象なのかよくわかりません。たしかに元の「ウルトラマン」だってそんなものだったはずですが、映画にするのなら、少しくらい擬似科学的なのでいいからそれっぽい言葉を出してくれればよかったのにな、なんて思って残念になりました。
ウルトラマンが宇宙空間を追跡してきたことになっている敵の怪獣(ザ・ワン)がよく喋るのも違和感がありありでした。どこのチンピラヤクザなのかと思うようなキャラクター。どうせならエイリアンみたいに、黙って凶暴に振る舞ってくれるほうが理解を絶して、よほど恐ろしいと思うのですが。怪獣というよりは猿の惑星の着ぐるみみたいでした。
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家族のありかたや台詞回しも、なんとなく古めかしく感じました。妻がウルトラマンになる夫の真木舜一を「舜一さん」と呼ぶところなんてとくに。
自衛隊がひどく謀略機関的に描かれていたりするのもどうかと思いました。もっと規則と手続きと職務に忠実に活動しているように描くほうがおもしろいのではないかなとか。
不満ばかりあげつらいましたが、私は楽しみましたよ。ただその楽しみ方がふつうの映画を見るときの楽しみ方と同じ種類のものではなかったのが残念です。
踏み込みが浅い。
もう少し深く踏み込んでいれば、もっとおもしろかっただろうと思いました。
予算不足だったのかなあ。時間不足だったのかなあ。残念だなあ。