グローリー

グローリー [DVD]

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 自由。それは自分の死に方を自分で決めることなのかもしれない。

 南北戦争のときの物語です。
 北軍に、南部からの逃亡奴隷も含む黒人部隊、第54連隊が作られます。連隊長は裕福に育った白人。それでも一緒に育った黒人もいて、同情的です。(どこかで見た顔だなと思ったら、マシュー・ブロデリック。「ウォー・ゲーム」でコンピュータ好きの高校生役を演じていた人です。)奴隷制に反対する気持ちを南北戦争での戦闘に注ぐ黒人たち。南軍は黒人兵士は奴隷に戻し、白人指揮官は死刑にすると北軍に対して宣言してきます。やめたいものは罰しないから去れ、というのですが、誰も去りません。そうした黒人たちに厳しく接する部隊長ですが、不正な搾取や差別的な扱いには反対してくれます。とうぜん、黒人兵士たちのモチベーションは上がります。やがて前線に出て、総員突撃。多くが死に、勝利はするものの、部隊長も討ち死にします。死体は戦場の砂の上に積まれ、部隊長の体に黒人兵士の体が重なります。このラストシーンは悲しくも美しい映像です。
 南北戦争テーマということで、「ラスト・サムライ」を思い出しました。あの映画でトム・クルーズが演じた主人公は、南北戦争でトラウマを負った兵士という設定でした。映画の完成度という意味では「ラスト・サムライ」のほうが上だと思いますが、同じ監督(エドワード・ズウィック監督)なのでちょっとびっくりしました。南北戦争にこだわりのある監督なんですね。

ラスト サムライ [DVD]

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