ウルフマン

 古典的な狼男のリメイクらしい。1840年代のイギリスの田舎ブラックムーア。満月の夜、男の骨格が歪み体毛がみるみる伸びて狼男に変身・・・と思ったら、なにこれ、ゴリラじゃないのか。「猿の惑星」みたい。もっと痩せた精悍な姿にして、鼻面を長く狼っぽくすると良かったんじゃないかな。ストーリーもたしかに古典的で、新味に欠けるのは当然としても、古典らしい深みもあまりなくて残念。主人公がシェークスピア俳優だったりはするのだけど。もうすこし主人公なりその父親なりの人物を掘り下げられたらよかったかも。
 なんて思ったけど、狼男のお話をいちおう知っておきたい人にはお勧め。狼男になるのは主人公とその父親で、父親と対立して最期には殺してしまうといういわゆる父親殺しがテーマになっている映画と言ってもいいのかも。