カブトムシはクヌギの樹液だけでどうして生きていけるの?
カブトムシやクワガタってさ、セミや蝶もそうだけど、硬い殻とか大きくて派手な翅を持ってる華やかな虫って、だいたいが、やれクヌギの樹の樹液だの花の蜜だのというものしか食べない。ほとんどカロリー源のみ、という食生活。「いいのかそれで?」っていう気がする。
でも、たぶんいいんだ。あれで。
きっと、もうあの体をそれ以上作り上げる必要を切り捨ててるんだ。活動するためのエネルギーさえあればいいと割り切ってるんだろう。あれは最終形態。だからもう、最期にひと花咲かせて死ぬだけさっていうことなんだな。たぶん。
ときどきエネルギーを再充填することは必要でも、あとは命の限り生殖に生きる。恋に生き、恋に闘い、産卵して死ぬ。ある意味では潔いし、ある意味では淫蕩な生活。それを選択した結果が、成虫たちのあの美しい完成された姿に結実してるんだろう。
色道に生きる、ストイックなとも言える彼らのスタイルは、スポーツカーや戦闘機のデザインにも似たあの姿は、凄絶なまでにセクシー。だね。