「チョコレート」

チョコレート [DVD]

チョコレート [DVD]

 絵が得意な死刑囚を夫に持つ黒人女性レティシアは、夫の処刑後に交通事故でひとり息子も失って孤独になるが、行きずりに息子を病院に運んでくれた元看守で黒人差別主義者のハンクと結ばれ、元夫が描いたハンクの肖像を見つけて放心するもののその求愛を受け入れる。父親の影響から黒人に差別的な元看守のハンクは、黒人に理解を示したり看守の初仕事に失敗したりした息子を軟弱となじったため自殺されて失意の日を送っていたが、たまたま助けたレティシアに惚れ込んで黒人差別主義者をやめ父親を施設に追い出して、レティシアと一緒に暮らすことを決意する。ハンクは日頃からレストランでチョコレートアイスクリームを好んで食べておりレティシアは夫との死別後にそのレストランで働いていたが、同じ家で暮らすことにした日にチョコレートアイスクリームを無性に食べたくなったハンクが買い物に出かけたとき、レティシアは部屋の中で元夫が描いたハンクとハンクの死んだ息子の肖像を見つけてハンクが元看守であることを知って衝撃を受けるが、帰ってきたハンクが星空の下でチョコレートアイスクリームを一緒に食べるようにうながすとそれを口にする。
 暴力シーンもあり、拳銃自殺シーンもある。映像的にはともかく、情景的にはかなり露骨なセックスシーンもある。
 主演女優のハル・ベリーハリー・ベリー)はこの映画で数々の女優賞を受賞したそうだが、さてこの映画を見てよかったかというと、素直によかったと言い切れない。チョコレートアイスクリームのように苦くて甘い、複雑な後味の映画というところだろうか。