完全自動洗濯機
服を脱いだらそのままタンスの一番上の引き出しに入れて閉める。
引き出しの脇のランプが緑に点灯して、軽いモーター音がはじまる。注水の音がかすかに聞こえる。
そのあいだに、下の引き出しからきれいに畳まれた下着を出して着る。ほんのりいい匂いがする。
シャツはその下、靴下はそのまた下の段にある。ズボンは一番下の段から出して履く。
そうこうするうちに洗濯の音が少し変わる。洗浄がはじまったようだ。透明な覗き窓から棚の中で踊っている洗濯物が見える。
残り時間の予測値が表示されている。放っておけばいつのまにか洗濯は終わるから、あまり気にしたこともない。
窓から光ファイバーケーブルで流し込まれる日光は洗いあがった服に太陽の香りをつけるだろう。
ふんわりと乾燥した服はぜんぶきれいに畳まれて下の段に送り込まれるだろう。
シャツのボタンもきちんと留められて、着てもらえるときを静かに待つのだ。
むかしは洗うだけで全自動洗濯機と呼んでいたときもあったらしいが、信じられない。
そのうち乾燥機もついてくるようになって、だんだんいまの形に近づいてきたようだ。
考えてみれば便利になったものだ。
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なんてことを夢想してみました。
聞いてみると、同じようなことを考えている人はいるみたいです。
ひとりじゃない。
そうだとすると期待が持てそうです。
夢見る人たちのなかには、実際にそんな完全自動洗濯機を作ってしまう人たちもいることでしょう。
いつ実現するかなあ。