アラニンの語源は不明?

 古書でアシモフの「脳 生命の神秘をさぐる」を購入した。

 さっそく読みはじめた。タイトルは脳だが、脳に限定せず、広く心の座としての脳とそれを支える神経系や内分泌(ホルモン)系、感覚器系までもが概説されている。かなり古い本(原著は1963年)ではあるが、この視野の広さがアシモフらしくてうれしい。
 本はホルモンの章から始まる。ここで、アラニンの語源について、アシモフの「脳」では「Alanine: 口調がよいのでつけられただけの名前のようである」*1と書かれている。
 「なんだそれ」と思ってWikipediaをはじめ、web検索もしてみたが、アラニンの語源についてはどこにも見つけられなかった。おかしい。有機化学の言葉が先史時代から知られているはずはないのだから、そう遠くない時代に、誰かが命名したはずだ。その誰かにはそれなりの命名理由があったはずだ(たとえ感心するような理由ではないとしても)。どうして発見や命名の由来が見つからないんだろう? そう思って見はじめると、他のアミノ酸にしても(少なくとも日本語と英語のwikipediaでは)歴史とか由来についてはあまり触れられていない。ううん、むずむずするなあ。

*1:I.アシモフ・著/桜井靖久・訳「脳 生命の神秘をさぐる」白揚社,1972.9.20 第1版第1冊,p.16-p.17