興福寺の阿修羅像

 きょう上野の国立博物館に展示されていた阿修羅像を間近に観てきたわけですが、阿修羅像のあのポーズはストロボアクションかアニメーションのようでした。

 まず両手のひらを上に向けて、肘が直角くらいにまがるように両腕を大きく上げて、かまえる。
 次にその両手のひらを次第に内側にかえすようにゆっくりと曲げながら、手のひらがやがて正面で重なりそうになるように、肘を下ろす。
 最後に胸の前で両手を合わせて指をまっすぐに伸ばす。
 この3ポーズですね。

 阿修羅像は、三面六臂。つまり顔が3つあり、腕が6本(3対)あります。この尋常ではない特徴は、別に興福寺の阿修羅像だけというわけではなくほかにも例があるそうですが、もしや、シャム双生児ならぬ三つ子(結合多胎児)でしょうか。顔もよく似てはいると同時にどこかちがう。三つ子ということなら納得できそうです。でも、阿修羅像を創った人がまさかそういう実例を知っていたわけではないでしょうね。

 八部衆のみなさんは、象をかぶってる人(五部浄)とか、虎?をかぶってる人(乾闥婆)とか、蛇を載せてる人(沙羯羅)とか、そのまんま鶏頭の人(迦楼羅)とか、どうもかぶり物が好きな人が多いようで、ご当地キティちゃんか百獣戦隊ガオレンジャーかと思いました。
 その後で別室でひとりお立ち台の上でワンマンショーをしている阿修羅像を拝んだわけですが、ひとりで3人分顔と腕を持っているだけに、3人分の人気を集めているようで、ひとり少年隊かと思いました。阿修羅にはファンクラブ(阿修羅ファンクラブ)まであるそうです。私はこっそり悔しがっていました。あの展示でミラーボールでも回してジャニーズ系の音楽でも鳴らせば完璧だろうにと。