バカリズムがおもしろい

 ゆうべ、YouTubeでお笑い芸人バカリズムのビデオを見た。どれも一人芸だ。ひきこまれた。

 以前「トツギーノ」というタイトルの芸はみたが、おもしろいようなおもしろくないような、ちょっと中途半端な感じを受けた。ゆうべ見た「総合医者」と「贈るまでもない言葉」はストレートにおもしろかった。

 「総合医者」は病院の医師を演じる一人芝居の形式のコント。この医師が風邪で来院した患者を診るという状況をテレビのワイドショーやクイズ番組のキャスターのように演じてみせてくれる。このとりあわせがみごとにはまっていて笑わせる。

 「贈るまでもないことば」は武田鉄矢がむかし演っていた「金八先生」風。教師が卒業式に最期の出席をとりながらひとりひとりに言葉を贈るという状況で、そこはかとなく心に残る言葉を思わせる感じに話しながら、結局なんでもない当たり前の言葉しか言わないというパターンを何人分も繰り広げるもの。オチのスライドショーという感じだった。

 今朝、もういちど妻といっしょに見た。やはりおもしろかった。ほかのビデオも探して観た。
 「日本数字話」と「YOIDEWANAIKA」がよかった。

 「日本数字話」は誰でも知っている日本の昔話をベースに、数字での形容を徹底してみせることでおかしさを醸し出す。「むかしむかし、あるところに身長161センチメートルのおじいさんと身長148センチメートルのおばあさんが暮らしていました」という調子。

 「YOIDEWANAIKA」はシルエットだけで登場。江戸時代とおぼしき丁髷姿の武士(影だけ)を、着物姿の女性の人形の腰から帯を解いて引っ張っているポーズで演じる。時代劇にありそうな、腰元や女中を手込めにしようとする侍のパロディになっている。「よいではないか」という言葉の繰り返し(と、ところどころではそのパターンを崩してみせる)は、トツギーノにもちょっと通じる。

 1時間ほど、はまった。