カレーパン

 コミック「黒執事」にカレーのコンテストで「あくまで執事」の人がカレーパンを作るというお話があったので、たぶん妻は読んだものに出てきた食べ物には食指をそそられていることだろうと水を向けてみた。
 で、食べようということになって、新宿までカレーパンを買いに行った。新宿中村屋のカリーパンとアルタ地下2階のミスタードーナツのカリーパンを買うのに都合がいいからである。中村屋にはカリーパンとビーフカリーパンがあった。100円ほどビーフカリーパンのほうが高い。とりあえず両方を買ってみた。ミスタードーナツのカリーパンはちょっと小振り。これは2つ買った。
 家に帰って食べた。ダイコンとクリームチーズのサラダを作って添えた。サラダはクリームチーズをサイコロ状に切ったものに千切りのダイコンをかぶせ、鰹節を少し載せて、醤油を小さじ1杯まわしかけ、黒胡椒とパセリを振ったものだ。飲み物は冷たいグレープジュースと暖かい緑茶。
 カレーパンはそれぞれに違った。最初に口にしたのは中村屋ビーフカリーパン。ふたくちくらい食べたら、次は中村屋のカリーパン。やはりひとくちふたくちで止めて、三つ目はミスタードーナツのカリーパン。かわるがわる三種類のカレーパンを食べ比べた。
 中村屋ビーフカリーパンはちょっと肉がぷりぷりして、すじが歯にまつわりつくような感じがする。
 同じく中村屋のカリーパンはごく普通のカリーパンだ。おいしいが、特別なにかが違うということもない。当たり前の味に感じた。
 ミスタードーナツのカリーパンは中のカレーがとろっと柔らかい。かじるとカレーがゆっくりと流れる。どことなく黒砂糖のような香りがするのは奇妙なとりあわせだ。まわりのパンの部分は餡ドーナツのようなドーナツ生地にカレーパンっぽくパン粉のような飾りがついている。カレーが甘いわけではないが、においにやや違和感を覚えた。
 もしどれかひとつしか食べられないとしたら、私は中村屋の(ビーフではないほうの)カリーパンを選びそうだ。ただ、中村屋のカリーパンはちょっと値が張る。ミスタードーナツのほうが100円以上安いことを考えると、ミスタードーナツのカリーパンを選ぶほうがお得かもしれない。しかし、それならコンビニで売っているカレーパンがいちばんいいという結論になってしまいそうである。そんなことでいいのだろうか。
 ところで、カレーパンじゃなくてカリーパンって呼ぶのは、流行り?