DVD:アニメ「アップルシード」

 CGアニメ。景色がまわり込むまわり込む。一般にアニメーションでは人物以外はほとんど静止画で表現してしまい、数枚の背景を重ねて相対的に移動させるくらいなのが多いが、CGでいったん建築や景観を3次元モデルにしてしまえば視点の移動も楽々、と言いたげに、ゆれる。まわる。流れる。煙や陽炎や海の波などの表現もさすがシミュレーションという感じではある。ただ、モーションキャプチャを使っているらしいが、人間の動きは人形っぽくて、多少とも不気味だ。髪の毛も房ごとに硬い塊として動かしているのが丸わかりで、ガラスのカツラをかぶっているようだ。しかし無機的なロボットや乗り物類とはよくあう。それらの表現はなかなかよくできている。
 ストーリーはこの前の攻殻機動隊(原作者は同じ)よりはわかりやすい。映画的な盛り上がりにも成功していると言えそう。原作の絵柄はちょっと拙い感じがしてあまり手が伸びなかったのだが、多少とも興味を惹かれた。映画には、続編もあるようだ。観てみたい。