クジャク

 今日、野毛山動物園に行った。野毛山動物園では、クジャクが放し飼いになっている。さわろうと思えばさわれるだろう。餌はやってはいけないのだが、やっている人もいる。クジャクは飛ぶのは苦手そうだ。しかし大人の腰くらいの高さなら飛び上がれる。細い金属パイプ製の柵の上に飛び上がって止まる。そこから舞い降りる。そのくらいのことはやってのけるのである。休憩所で私と妻は持ち込んだおにぎりを食べながらそんなクジャクを眺めていた。クジャクは粧いがゴージャスである。尾羽が派手なのと地味なのがいる。派手なほうが雄であろう。クジャクは人に慣れていて、ゆうゆうと休憩所のベンチの周りを歩きまわる。妻は言った。「演歌歌手が客席の周りをまわってるみたい。」「そうだね。ディナーショーみたいだ。」と私は応えて言った。「あれは八代亜紀。」