映画「ROMEO+JULIET」

 西洋歌舞伎。

 CD・DVDレンタルショップのツタヤから割引のハガキが来ていたので使ってみた。借りることにしたのはレオナルド・ディカプリオ主演の「ロミオ&ジュリエット」。最近ディカプリオづいている。この前みたDVD「キャッチミー・イフユーキャン」もディカプリオ主演だった。

 原作は著名なシェークスピアの「ロミオとジュリエット」。台詞はほぼ原作のとおり。字幕もそれっぽく芝居がかった大時代なものになっている。しかし、時代設定は現代。冒頭と終幕の口上はテレビのニュースショー形式だ。主人公たち若者はアロハシャツを着ていたりする。剣(ソード)というメーカーのピストルを携帯するギャングまがいの格好だ。舞台となる街の名前は原作通りのヴェローナだが、舞台はメキシコ風の都市。

 映像は美しい。サイケデリックといってもよさそうだ。音楽もジャズがあったりモーツァルトがあったりのごたまぜである。俳優たちは生き生きと動く。撮影トリックをちりばめた景色は過剰にドラマチックである。

 原作に忠実な脚本が効いている。これほどひっくり返した演出だと、普通の話し言葉だったりするとかえっておもしろくなかっただろう。主人公二人の情熱的な姿も、芝居じみた台詞を超えて感動的である。過剰な台詞と過剰な舞台のなかで、彼らの表情と声音には芝居がかった重さが感じられないくらい十分に自然な感じを保っていたからだろう。

 喝采を送りたい作品だ。映画館で見れば鑑賞券が1800円程度の昨今、当日レンタルで150円だったのは、安すぎる。