ジャン・エヴァレット・ミレイ展でよかった作品

 9月13日には、静物画の秘密展とミレイ展を観にいきましたが、ミレイ展のほうが見応えがありました。
 ミレイ展では、「両親の家のキリスト(大工仕事場のキリスト)」(1849年 - 1850年・テート・ギャラリー収蔵)が気に入りました。

http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/3/34/Sir_John_Everett_Millais_002.jpg
http://art.pro.tok2.com/M/Millais/Millais.htm

 上のURLはウィキペディアに掲載されている写真ですが、ほんものはもっとくっきりと描きこまれていました。
 下のURLにはミレイの作品の写真がコメント入りでたくさん掲載されています。

 この作品、当時はディケンズに酷評されたそうですが、どうしてどうして。少年イエス・キリストは聖人らしく描いてないからこそ愛らしく、マリアも完璧な美しさからは遠くともそのポーズや表情は美しい。うっすらと鉛筆らしき下絵の線が垣間見える作品でしたが、緻密な書き込みはため息が出るようでした。

 後年の作品は、だんだんと特定の(主に顔、とくに目)部分こそ緻密な描き込みが引き継がれているものの、概して荒い描き方になっていったようです。描線や面の塗りは荒くとも、映画のマットペインティングのように、ポイントを掴んで描かれてはいるので上手ではあるのですが、私はこのノーマン・ロックウェルの絵をもう少しだけまじめにしたような作品が好みです。