「ベルギー象徴派展」
Le Symbolisme en Belgique -Le r'eel en ab^ime-
http://www.bunkamura.co.jp/museum/event/belgium/index.html
渋谷のBunkamura ザ・ミュージアム。
妻が書店でもらったブックマークが割引券になっていたので行ってみました。
ブックマークの絵柄は、ひとつがアングルの「泉」*1のように右肘を高く上げたポーズの全裸の女性の絵のもの。もうひとつが、似たようなポーズで中世騎士の鎧を着た女性のもの。
どちらもなんとなくぼんやりと煙ったような雰囲気の絵です。
だいたい1830年代から1910年代くらいまでの、約百年ほど前に生きた画家たちの作品。作品傾向にはかなりの幅がありました。ベルギー象徴派とひとくくりにするには少し無理があるんじゃないかと思うほど。
ある人はいかにもパステル風のぽわんと煙ったような絵。
別の人は古風な宗教画風の絵。
また別のある人は娼婦風の女性を悪魔のような怪物とからめてグロテスクに描く。
さらにある人はほとんど少女漫画のようなタッチ。
さらに別の人は落書きっぽいナンセンスマンガ風の作風。
また、なかには何点か大理石彫刻やブロンズ塑像も。
ブロンズ塑像は立体なのでさまざまな角度から見ることができます。興味深く観察できました。完成度はなかなか高かったと思います。
絵のほうは総じてデッサンに不満足なものが多い印象でした。
モチーフや構図や色彩効果はすばらしいのに、どこかで透視図法が狂っていたりすると、とても残念です。
ただ、なかにはかすかな蝋燭の照明に浮かび上がる暗い部屋を鮮やかに描きだした佳作もあって、これには感心しました。ただ、作品次第のようで、隣にあった同じ画家の作品は、同じような光の効果を描いてはいるものの、どこか魅了する力に欠けるものがあるように思いました。
そうそう、ある画家の、夜の景色を描いた絵もかなりよかった。
別の画家の水面を描いた絵は、水面下の描写力と水上の描写にちょっと落差があったように思えて惜しいなと思いました。
興福寺の鎌倉時代の彫刻を集めた展覧会を見に行ったときほどの感動はなかったものの、そこそこ楽しめました。
きょうは、この展覧会を観てまわったせいか、妻の万歩計は一万二千歩足らずまでカウントされました。