ブラインドネス

 ある日とつぜん一人の男が運転中に失明する。それは伝染性で、急速に世界中が失明する。だがひとりの女性だけは失明を免れ、失明した夫といっしょに隔離される。隔離病棟ではけっこう悲惨な状況にもなる。世話に疲れる主人公。しだいに失明した事実を受け入れはじめる人々。そしてまた、最初に失明した男が唐突に視界を取り戻す。希望が広がる。どんな病気なのか、なぜ治ったのか、謎は謎のまま解かれない。そして主人公が失明する。「私の番がきたんだ」。