「さようなら!『人見知り』」

さようなら!「人見知り」―初対面の気後れ・あがりがなくなる53の考え方・話し方 (DO BOOKS)

さようなら!「人見知り」―初対面の気後れ・あがりがなくなる53の考え方・話し方 (DO BOOKS)

人見知りが気にならなくする本

 好奇心をもちながら、自分の気持ちをあらわす。そうすると人見知りな人であっても人見知りが気にならなくなりますよ、とこの本はいう。「自分もそうだったから」と著者はいう。

人見知り状態を裏返す(1)

 好奇心をもつ。他人に好奇心を持つと、自分への意識がそのぶん減退する。だから、人見知りが現れにくくなる。人見知りしている状態というのは、相手が気になって自然にふるまえない。それって実は、相手を気にする自分が気になって、相手のことをあんまり気にしてないのかもね。相手に好奇心を持てば、自分を気にする自分が少なくなる。

人見知り状態を裏返す(2)

 気持ちをあらわす。うれしかったらうれしがる。いやならいやがる。おどろいたらおどろいてみせる。そうすれば、黙っていても間は持つし、相手も自分の話に興味を失わない。人見知りの結果、雰囲気がよどむのは、自分の気持ちを隠してしまうからなのかも。自分の気持ちをスプレーすれば、少し空気が軽くなる。

形から入る方法

 自分を振りつける。社交的なポーズを。性格は変えなくていいから。
 挨拶か「ありがとう」からはじめるのがいい。はい、そこでくちびるに笑みをうかべて。まなざしに愛をこめながら相手の目を見て。無理なら鼻を見て。手を開いてそっと差し出す。そこで声を出す。挨拶か「ありがとう」がいい。

自己紹介の方法

 自己紹介のパターンは、あいさつ→なまえ→ひっかかり。
 たとえば、「こんにちは。徳川です。徳川家康です。自己紹介って苦手です。人見知りですから。うそだと思ったら、試してみてください。人見知りの徳川家康でした。」とか。

話題の話題

 相手の名前から入ると楽。「なんて読むんですか? どんな漢字を書くんですか? どういう意味ですか?」
 しゃべることがなかったらおうむ返し。単語を返す。「薔薇ですか。」要約して返す。「薔薇の花束をもらったんですね。」気持ちを返す。「うれしかったでしょうねえ。」
 教えてくださいと頼む。「どうしたらできますか?」自分の体験をからめる。「うまくできなくて。でももう少しうまくなりたいから。」教えてもらったら「ありがとうございました」。
 とりあえず「どうですか?」次は「へええ。それから?」
 「すごい」にはすごい効果がある。「すばらしい」にはすばらしい影響がある。だから使ってみよう。

人見知りを感じたときの処方箋

 ムスッとするよりニコニコしよう。
 とくいな話題でよければ楽。だから趣味の似ている人を探してみよう。
 なぜか親密な気がしてくる。だから時代を遡って子供の頃の話をしてみよう。
 気持ちにゆとりが持てる。だからこころのなかで、相手に○をつけてみよう。
 話し好きな人は聞いてほしいだけ。話をしてほしいわけじゃない。だから受け答えさえできればいい。

使用上の注意

 強引に話題を変えると感じが悪い。
 相手に反応を返して会話を終えるほうが感じがいい。
 そういうとこ、ちょっと注意。

覚悟のすすめ

 批判は丁重に追い払う。
 ありたい自分を演じ切る。
 そんな心構えで自分を失わないでいれば、ぺらぺら話さなくても、対話は成り立つ。

まとめ

 無理に自分を変えようとしないでいい。形から入ればいい。自己紹介もあらかじめ型を作って用意しておけばいい。話題は作らなくても聞いたことに反応すればいい。人見知りを感じたら、あわてず好意をもって相手を見ればいい。無理しない。でも反応はする。ただし、自分を失わないように。
 人見知りにはいくつかのタイプがあるだとか、おもしろく読ませる工夫もある。
 人見知りが苦になるとき、読めばいくらか気にならなくなりそうな気にさせる本だ。