地震予知が無理なら

歴史は「べき乗則」で動く――種の絶滅から戦争までを読み解く複雑系科学 (ハヤカワ文庫NF―数理を愉しむシリーズ)

歴史は「べき乗則」で動く――種の絶滅から戦争までを読み解く複雑系科学 (ハヤカワ文庫NF―数理を愉しむシリーズ)

 「歴史は『べき乗則』で動く」という本を読んでいると、「地殻は自己組織的臨界状態にあって、ささいなズレが微かなぐらつきから破滅的な崩壊まで、あらゆる大きさの影響をひきおこせる状態になっている。だから地震は予知できない。規模が大きいものほど滅多に起こらず、小規模なものはひっきりなしに起きるというように、単位規模あたりの発生数は統計的に予測はできる。しかしどの規模のものがいつ起こるかはわからない。ある規模以上の地震がいつどこで起こるかの予知などできないのだ」というふうに書かれていて、それで思った。
 もしそうなら、地震を予知して被害を逃げておけるようにしようとするのではなくて、地震の被害を最小限に留める、さらには地震が起きても被害をほとんど、あるいはまったく、受けない方法を追究するほうがいいんじゃないかな。
 地震を受けても揺れない道路を作るとか。地震を受けても倒れないビルを建てるとか。
 あるいは地震で壊れても自動的に復旧する道路を作るとか。倒れても立ち直るビルを建てるとか。
 それとも壊れるよりも速く成長する道路を作るとか。傾くよりも速く伸び上がるビルを建てるとか。