台風が去って

空のてっぺんは青く澄みわたり

空のはしだけに薄い雲がたなびいて

草の原には一晩で池ができあがり

白い月までも映すかのようで

電線はまあたらしい水色の空に黒々とした線で走り書きをし

屋根の茶色や緑の色はあざやかで

朝の太陽はまばゆく

お寺の大仏もことさらに落ち着いて

出かける人たちの足もこころなしか軽やかで

すきまに生えた草の葉も今朝は光を受けて

鳩はあたたまった石畳にうずくまり

木漏れ日を浴びてまどろみ

車窓から流れる景色さえなんともみずみずしい