書店探訪

恵文社一乗寺店

 http://www.keibunsha-books.com/about/index.html
 ドアは手で押して開ける。自動ドアではない。照明は暗い。少し秘密めいた雰囲気。表紙を正面に向けて置いてある本が多い。フロアは1階だけだが、けっこう広い。本だけでなく、ほかにも雑貨類や文具類が置いてある。星新一和田誠の絵本「はなのひみつ」があった。空想の原型は、自分のなにかが、どこかで誰かに(ひょっとしたらまわりまわって自分に)影響を及ぼしているんじゃないかと想像することにあるのかもしれないと思った。ポップアップ絵本があった。ポップアップの技法をポップアップ絵本で表現したものが2つあった。コンピュータソフトでポップアップ絵本の技法を表現するAPIライブラリを作ってみたらおもしろいかもと思った。「星の王子さま」や「不思議の国のアリス」はイラストや翻訳の異なる版が多くの出版社から多数出ている。誰もが自分なりのキャストとイラストでこれらの本を作り直せたらいいかもなと思った。
 いろいろと想像が刺激される。で、思いつきをノートにメモしていたら、店員の人から「商品についてのメモはご遠慮ください」と注意されてしまった。商品についてのメモではなかったのだけれど、素直に謝っておく。でもどこかひっかかって、何も買わないままに店を出た。外は明るかった。

ジュンク堂BAL京都店。

 http://www.bal-bldg.com/kyoto/junkudo.html
 明るくて、いい雰囲気。気楽に眺められる。美術書のコーナーを抜けて、演劇や書道のコーナーを眺めるのに時間をかけた。書道の本を見ていると、はじめて字が書けたときには「ぼくにも人に伝わる字が書ける!」と感動していただろうかと思った。下手でもなんでも、伝わる手段を身に付けたとき、一種の力の感覚を覚えたかもしれないな。と、遠い過去に思いを馳せていた。コミック売り場を通り、絵本のコーナーを漂っているときに「もう帰ろう」とメールが入った。4フロアのうちの1フロアだけで店を出た。外は暑くて、中の涼しさが恋しかった。