中国名詩選(下)
(上)(中)(下)と図書館から借りていた岩波文庫の「中国名詩選」(下)を読み終えた。
- 作者: 松枝茂夫
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1986/10/16
- メディア: 文庫
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いろいろ読めるのがいい。
(上)と(中)はもう返してしまったが、(下)の中で心に残ったものを書き留めておく。読み下し文や現代語訳は著作権に配慮して転載を控える。(参考サイトを参照ということで。)
韓愈「落歯」p79
去年落一牙 今年落一齒 俄然落六七 落勢殊未已 餘存皆動搖 盡落應始止 参考: http://www.dent.okayama-u.ac.jp/syouni/OKAZAKI/omosiro/rakushi/rakushi.html
作者(韓愈)36才の作とか。え? 四十前にして歯なし?
白居易「長恨歌」p103
(長いので省略。) 参考: http://www5f.biglobe.ne.jp/~Tan-Lee/oasis/sanpo/chogon.html
李賀「蘇小小墓」p161
幽蘭露 如啼眼 無物結同心 煙花不堪剪 草如茵 松如蓋 風爲裳 水爲珮 油壁車 久相待 冷翠燭 勞光彩 西陵下 風雨晦 参考: http://www5a.biglobe.ne.jp/~shici/shi3_07/rs210.htm
なんだこれ
「アタシ彼女」*1
みたいな
曹松「己亥の年」p199
澤國江山入戰圖 生民何計樂樵蘇 憑君莫話封侯事 一將功成萬骨枯 参考: http://www5a.biglobe.ne.jp/~shici/pbt_shi16.htm
「一将功成りて万骨枯る」はこれが出典か。
王安石「初夏即事」p265
石梁茅屋有彎碕 流水濺濺度両陂 晴日暖風生麦気 緑陰幽草勝花時 参考: http://www2.ttcn.ne.jp/~hillmountain/kansinosekai/kansi12.htm
「勝花時(花の頃より美しい)」ていうのがいいな。
蘇軾「六月二十七日望湖楼酔書」p271
鄢雲翻墨未遮山 白雨跳珠亂入船 卷地風來忽吹散 望湖樓下水如天 参考: http://www5a.biglobe.ne.jp/~shici/shi3_07/rs219.htm
クレイアニメみたいでおもしろい。
陳与義「襄邑道中」p304
飛花両岸照船紅 百里楡堤半日風 臥看満天雲不動 不知雲与我倶東 参考: http://blog.goo.ne.jp/tiandaoxy/e/7471a746ac9202df1fbb3517dc52fd37
驚きのあるイメージ。
「なんだ雲が止まってるんじゃなくて自分が雲といっしょに流れてるんだ」という。
納蘭性徳「蝶戀歌」p484
辛苦最憐天上月 一昔如環 昔々長如夬 但似月輪終皎潔 不辞氷雪為卿熱 無奈鍾情容易絶 燕子依然 軟踏簾鈎説 唱罷秋墳愁未歇 春叢認取雙棲蝶 参考: http://www.c-able.ne.jp/~s-town/chourenka.htm
二匹の蝶がたがいの周りを飛びながら高く昇っていくことがある。そうか。ああいうシーンを雙棲蝶(双棲の蝶)っていうのか。