「いのちの食べ方」
- 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店
- 発売日: 2008/11/29
- メディア: DVD
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さまざまな食材が栽培され、収穫され、解体され、包装される様子が淡々と流れる。
単調な映像に退屈するときもあった。
自動化・機械化・効率化がずいぶん進んでいるものだと感心させられたというのが第一の感想。
ただし、ずいぶんと人手による作業も残っている。
レタスの収穫が印象的だった。オレンジ色の照明に照らされたビニールで仕切られた幌の内側。次々とビニール袋に包装して箱詰めしていく人たち。箱が載せられている作業台が少しずつ前進していく。新しいレタスが現れる。その作業台は大きなトラクターの側面につながっている。トラクターが微速前進するのにつれて、作業担当者たちが畑を整然と収穫していっているのだった。
作業している人たちは無関心な感じで黙々と作業している。
流れ作業なので一人一人は単調な繰り返し作業だからだろう。
楽しそうな人はいない。
それでも動物が流れ作業で気絶する瞬間はやはり少し衝撃的だった。
電気ショックでいななく動物があっけなく気絶する。
ひくつく体も流れ作業で運ばれ、体が縦に二つに裂かれ、内臓が取り出され、足を千切られ、皮を剥かれると、もう食肉だ。
その向こうには人間による大量消費がある。
大勢の人間を食べさせるために、人間はこんなふうに手際よくやっているわけだ。
従業員の退屈な労働と動植物への慈悲のない育成のもとに。