放送大学「疾病の成立と回復促進」第3回

 金曜日のテレビ放送をビデオに録画してもらっているので、それを見た。
 先生の話は興味深い話題なのに、話し方が堅すぎてもったいない。

 医師と看護師では力点の置き方が違うという話。たとえば医師はどちらかというと病気や怪我を治すという態度だし、看護師は病気や怪我をというよりも患者を治すという態度だとか。根本治療や最適なケアのためには医師のような態度が有効だけど、全体的な治療のためには患者ごとの特性や価値観の違いを踏まえた看護師のような態度が有効だとか。
 正しい診断なくして正しい治療なしというのは、そのとおりではある一方で、緊急事態にある患者のケアの開始には時間的な猶予はないという話。
 それでも、ケアに追われて全体的な症状を統一的に一元的に説明するような病因を考察することを忘れてはいけないという話。
 たとえ同じ病気でも、患者が違えば同じ治療がかならずしも正しくはないという話。

 医療に限らず、どんな活動にも言えそうな話だと思う。

 そういえば、EBM(Evidence Based Medicine)とかEBN(Evidence Based Nursing)という言葉が、先年、医療関係者に「流行り病のように」学ばれたそうだとも話されていた。経験ベースの判断ではサンプル数が少なすぎて科学的な妥当性が低いので、客観的な事例を収集して診断や治療方針の決定に使おうということらしい。
 医療にもKKD(勘と経験と度胸)という部分があり、それを克服しようとしてたとえばITに望みを託すというようなことがあるんだと知る。